昭和前期の憲兵を主軸にするというチャレンジングな設定に心惹かれて読み始めました。主要人物たちはどの人もダークな背景を背負ってて、時代感にもマッチしているしドラマ性がある。青年誌に多い、1話ずつ完結感のある設定になっていたけれど、大きなうねりのある1つの物語に絞って読みたかった。それだけの材料は揃ってると思ったけれど、二巻完結なのでメインプロットは少々駆け足に。作者さんは相当資料を読み込んでらして、時代モノとしても迫力ある。また、細部まで手の込んだ背景も、服装も、綺麗な人物達も表紙も、オシャレ。人物の顔が似ていたことは唯一混乱した。次作、また骨太の物語に期待したい。