文部省直属・特別第一指導教育課・黒岩鉄夫先生の活躍物語です。「いじめ」や「学校暴力」といった問題を憂いて、空想話しのなかから、解決への道を探ろうとするものです。正義にも力が必要だとするセリフや、暴力には暴力で向かう画面など、一見無謀的に思えるようですが、生徒それぞれの根底にある、人間としての寂しさも表現されていて、暴力排除への姿勢がうかがえるようです。だいたい人間って、生まれてきてから少しずつ、世の中のことを知っていくのです。だから親が教え、周りが教えて、躾けていくのです。それを忘れて、子供を可愛がることは、怒らないことだとして甘やかし、叱るべきときにも笑って済ませ、その挙句、指導していくことを忘れて放任となるのです。子供たちが十代を越えるころ、このことが自我の欲望のみを目覚めさせるのです。総ての大人たちが、怒ることより、叱ることに気配りを示して、せめてわが子から、人間としての躾けを心掛けたいものです。お父さん、お母さん達の責任はこれなんですよ。