最初は、表紙からしてあんまり好きじゃない絵柄に、失礼だけどチープなファンタジーだろうなと思いながら試し読みしてみたんですが、読んでみて良かった。
奇妙なキャラクターや造形、不思議な世界観に、感情の機微などの表現力が上手く、独特な個性が発揮されてるにも関わらず、思ってた以上に読みやすい。
段々登場人物達の背景が分かるようになってくると、切なさをはらんだ運命でも前を向く姿勢に心を打たれるようになりました。
悲しいお話でもあるけど暖かいお話でもある。
世界観や設定はどこかで見たことありそうでなさそうな、ふわふわした空気感を保つのが難しそうで、それでいて作者の遊びを入れてる感じも面白くて、主人公の不器用さやちょっと辛口な仲間達にもイライラさせられることなく、出逢いひとつひとつが儚くてほっこりします。
そこそこ好き嫌いが分かれる絵柄だとは思いますが、不思議なきのこの毒魔女とちょっと変わってるけど優しい仲間達の成長ファンタジーに興味があれば、1度読んでみてほしいです。