一話一話、休みながら読まないと読むことができない、感情を揺さぶられる漫画でした。派手なアクションシーンがあるわけではないのに、気づかないうちに、いっぱい魅せられていました。 "…主人公は高校3年生。映画部に所属。しかし今夏で廃部を言われ、とても落ち込む。撮りたい気持ちはあれど、撮りたい物がない。…そんな時、ミューズに出会う。引っ込み思案な主人公は、一歩前に踏み出して……。" 間(ま)がいい。 背景、余白。 絵なのに、空気の流れや匂いすらも感じられました。 あとがきにもありますが、作者のカボちゃ様は「夏が好き」だそうですが、そのお気持ちがとても伝わってきた気がします、天高くたちのぼる入道雲・強い日差し・青い空。本当に素敵。 キャラクターや物語も。押し付ける感じじゃなく、寄り添うというか…水や風みたいに心の中をサラサラ流れて行く感じ。 青が好き、夏が好き、青春系のお話が好き。そして仄かに香る百合。これらが好きな御人にオススメしたい作品です。