表紙とタイトルからなんとなく想像できると思いますが、この作品の主人公・ヨウ(女)は、親友のミサキ(女)に恋をしています。
しかし、ミサキは学校の生徒会長を務めるレン先輩に恋をしています。
ヨウは自分の恋は叶うことがない、という苦しい気持ちから逃れたくて
彼女の恋が上手くいけば、諦めがつくんじゃないだろうかと考えています。
そんなヨウの複雑な想いがタイトル「彼女の恋が叶えばいいのに」。
ヨウの絶対に明かせない苦しい恋心を描いたストーリーのわりには、気軽に性的な描写を入れすぎなことが残念でした。
少女向けのストイックな印象の作品なのに、ミサキが眠った途端急にヨウがキスしたり、脱いで胸を擦り付けたり、ミサキの胸まで触ろうとしたり。
こんなの絶対起きるでしょ…。
バレた時のリスクを考えたら、ヨウの立場ならそんなことしないはず…と思ってしまいました。バレて関係が壊れることを1番恐れているんですから。
あと、同性だからって寝てる間に唇奪われてるミサキの気持ちを考えると、ありえない行為ですよね。
もっと軽いというか、キスは挨拶〜ってノリのエロ推しなラブコメだったら許せたかもしれませんが、この作品でこういうことを簡単にキャラクターにやらせちゃうのは失敗だったのではないかと個人的には思います。
1巻ラストでも、生徒会長のレン先輩が無理矢理ヨウにキスをしています。
気持ちが抑えきれずつい…とかなら分かるのですが、あの余裕のある顔で両手押さえ付けて、あんな濃厚なキスを何回も…っていうのは、こちらもまたこの作品に不釣り合いな描写のように感じました…。
その後2巻では、レン先輩が中学時代からヨウに片想いをしていたことが明かされるのですが
それにしては気軽にキスしすぎだよね、って逆に更に不信感が募りました。
モデルになったからって、顔が良いのを自覚してるからって、自分を嫌いだと言って抵抗する女の子に無理矢理キスするか…?それも本気で好きな相手に…。
衝動的な不意打ちキスとかならともかく、計画性がある分、強制わいせつにしか見えなかったです(苦笑)
ヨウは結局1発殴ったものの、その後も彼のペースに巻き込まれて普通に仲良くなってしまっているし。
この後どうなっていくのか気にはなるのですが、少し微妙に感じる点も多かったですね。
とりあえず彼らの恋の行方は見守りたいです。