深いヒューマンドラマを読みたくて、重たいテーマを扱う本作を購入。正直、各短編のテーマの深刻さに反して、登場人物の行動や感情が軽すぎるように思えました。私も一人の母として、取り違えの子供のニュースに心を痛めてきましたが、知ったときはもっと葛藤するでしょうし、何も知らない子供へのショックには人一倍配慮するはず。それが微塵も感じられないので感情移入もしようがない。他の短編も、主人公の鈍感さや残酷さが目立ち、父親や彼氏など、他の登場人物が気の毒になるほど。個人的には、突っ込みどころが多く、感動ストーリーとして成立していることに違和感を持ちました。