ストーリー全体の大まかな流れ自体もテンプレではあるが悪くはない。
しかし、各話での細かいストーリーがとっちらかっており、そして決定的にマンガとしての演出が悪すぎる。
ワンシーンのはずなのに無駄に増やしたコマ、逆に演出面で圧倒的に足りないコマ、迫力の欠片もない戦闘や決着・キメシーン。冒頭あたりの、主人公の仲間が全滅して敵が「強い」からの死者蘇生→次コマで即敵討伐、の流れは敵が強いってなんだったんだよとなる。もっとコマが必要なシーンと削れるシーンの双方が多すぎる。
キャラクターの行動や設定に関しても不可解な点が多く、魔王の幹部の一人の恐らく「自身の負傷を任意の対象に同期させる」という能力は、生前どう生かしてたのかがかなり想像しずらい。この能力は主人公あってこそ有効に働く能力だと思うのだが、逆に主人公がいなかったら非常に使い勝手の悪い代物。主人公の能力すごいをやるためのご都合キャラにしか見えなかった。
他にも気になるご都合主義展開や設定ガバが目立ち、物語も演出もレベルが低い。アイデアは面白くなりそうなものだが、調理の技量が足りなかった感じの作品。