舞台は英国、ドイツが各4話、アメリカ、中国、日本が各1話。英国19世紀、ドイツ17世紀、中国紀元前3世紀、日本16世紀最後の年の設定。
時代はそこそこに古いから戦いの場に出る者を扱う話、社会が落ち着いていない状況で起きているこぼれ話的な短編集。10数頁から、30頁台位までで構成。奥付を入れて246頁。
短いのにその話の中に引き込んでくる。世相が世相なだけに黒っぽい絵は多いが、ドイツ兵士ものは野外のエピソードあたりが白っぽさがあり少し均衡。
スカッと爽やかではないが、小さなホッとすることがぽちぽち入っている。
想像力の強さがにじみ出してきている感じ。その場所でそんなことが、と、思わせる絵が、1話毎に冒頭の舞台で既にしっかりとわからせてくれる。舞台の違いが一目瞭然でありながら、どんな話を読ませてくれるのか、予想はさせない。味つけの異なる、世界のいくつかの話を楽しんだ。
最後のおまけのドイツ兵士の話だけついていけなかった。