人間は欲望を持つために、その本性は悪…そんなお話です。
それぞれの登場人物が、それぞれの譲れないモノがあり、その譲れないモノを手に入れる為、手を汚してでも進んでいく。そんなお話です。
それぞれの思惑が絡み合って、各自の思惑が明かされる最終話まで小気味よく物語は進行します。そして最後に、唯一、譲れないモノを持っていなかった人物が、始めて得た譲れないモノの為に行動を起こします。その行動自体はよくある事なのですが、その人物の台詞と誇らしげな笑み。それに対する主人公ゼンの笑みが、この物語をただのダークヒーロー物語で終わらせていません。
そして、ゼンが自分の「自由」を奪っていた人物に告げる言葉や、その人物の台詞や最後に見せる表情が素晴らしく魅力的です。
最後までゼンは自由で、きっとこのまま生きていくと確信させられるラストでした。
こんなに絵も物語も素敵なのに、このポイントで読めるなんて。本当にオススメです。