中華モノは秀作になり得るものが多く、満ち足りた読後感を得られたいので良く読むのですが、最近は年齢層を低く設定しているのか話に厚みのないものばかりを目にするようになり、もう時代が違うのかな・・・なんて諦めていました。でもこの作品は今流行りの転生モノを踏襲しつつ、ただの”流行り物”に甘んずることなく、権謀術数を鮮やかに繰り広げる美しい主人公の物語りが、心の動きや感情の機微にしっかりと裏打ちされてかなりドラマティックな仕上がりになっています。何よりも、泥水の蓮の如く汚れたことに手を染める主人公の行動原理が、じつはとても清らかで心優しい思いに拠っている所にとても心を打たれました。原作の小説を是非読みたいところですが、そこまで時間を費やすことができないので、是非漫画で最後まで見届けたかった!!主人公の行き着くところまで見せられたなら確実に秀作に、いや大作にすらなれたのに!なぜ途中で終わってしまったのか、評価は良いですがレビュー数の少なさを見ると売上の問題なのでしょうかね。間違いなく何かしらの大人の事情でしょう。残念!またサブタイトルを付けて続編を出してくださることを心より願います。