ネタバレ・感想ありアラベスク(完全版)のレビュー

(5.0) 11件
(5)
11件
(4)
0件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
今読んでも素晴らしい作品です
ネタバレ
2025年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 70年代の古い作品ですが、数ある優れたバレエ漫画を読んできても私の中ではこの作品がバレエ漫画の基準となっています。作画やストーリー、心理描写など本当にどれも素晴らしいですし、当時のソ連における政治的ことや英才教育の背景など、現実的なことが盛り込まれており、少女漫画ではなかなか見ない内容で幼い頃初めて読んだ時はなるほどーと感心しながら読んでました。そこに弱々しく自信のない主人公が挫折や葛藤、友情や恋での苦悩を経験しながら徐々に強く成長していく漫画的王道が合わさり、今も色褪せない素晴らしい名作となっています。
いいね
0件
若い人に読んでもらいたい
2025年3月6日
この作品は有吉京子さんのSWANと並ぶ、バレエマンガの古典といっていいと思います

作品発表当時は閉ざされた場所であった、ソ連を舞台にしているというのも興味深いのです

今の作品に比べて、吹き出しの情報量が多いので、若い人にはとっつきにくい、読みにくいと感じる作品かもしれませんが

機会があったら読んでもらいたいなぁと思います
読了後の満足度は高いと思います
いいね
0件
バレエ漫画の古典的名作
2024年10月14日
現在のロシア連邦がまだソビエト連邦だったころ、キエフのバレエ学校の生徒ノンナ・ペトロアは背が高いために試験で踊るパドトロワの相手役が見つからず困っていた。そこに飛び入りでパドトロワを踊ってくれのは視察にきていた男性バレエダンサーで……。この作品は初出はつぶん70年代の初めで、最初の本格的バレエ漫画だと思います。
バレエの真の魅力を伝えるバレエ愛漫画
ネタバレ
2023年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ バレエ漫画と言えば山岸涼子先生と確信を持つことになった漫画です。バレエ的な身体の美しさは日常的な美しさとは異なるので、デッサンがどんなに上手な漫画家さんでも「バレエを踊る身体はこうあるべき」という基本の理想がないと、説得力がない絵になってしまいます。例えば、ダンサーが理想とするグッとのびた膝としなう甲を持った足は、日常の中ででは曲がった病的な足だったりします。漫画的なデフォルメはありますが、その辺の美のツボを熟知されているところに、まずは安心感を持ちました。
ですから、バレエとは何かを考えながら読み進み、美しいポージングと共に見せられる」「青白く透明な真のロマンチックバレエ」や「バレエの叙情性を理解した時には体がついてこない」といった名言が心にズシンと響いてきました。
ロシアのバレエに詳しくなってから読み返すと、圧倒的な踊り手を生み出すロシアの教育システムや劇場のコーチングシステムへの解釈ができていなかったり、「青白く透明」なのは『ラ・シルフィード』ではなく『ジゼル』第2幕や『レ・シルフィード』であることなど、粗も見えてきます。
それでも、この作品の中のバレエ愛は本物。166cmの女性プリンシパルバレリーナやラーラのしなう脚は、この漫画の舞台となったマリインスキー劇場では今やスタンダードになっています。そしてノンナが目指したパートナーから自立したバレリーナというのも、この劇場のプリマであるヴィクトリア・テリョーシキナが実現してくれました。
かなった夢の証を堪能しながら、この漫画の先見性の凄さバレエ愛の深さに感動するこの頃です。
70年代央に女性職業舞踊家の自立を説く
2023年9月15日
発表当時に何かにつけて斬新なバレエ作品だったという存在。御稽古事としてではなくバレエ学校の生徒、バレエ団員養成所と、商業的側面に視点が有り、その上で、切磋琢磨と恋と。旧ソビエト連邦(ソ連)という国を挙げて手厚くバレエを保護育成した体制下、一方、クラシックバレエの比重の強い環境の下での新たな可能性への動きを描く。
二部構成。
プロになるかどうかも将来定まらない主人公が、大化けする芽を見込まれて、バレエが好きという自分の変わらぬ気持ちに、途中で降りることになった仲間の気持ちも乗せて、自分の地歩を固めながら羽ばたく第一部。
一定の評価を得ながらも、バレエ団員にはまだ年齢が届かない。師は次の教え子を見つけるわ、その師の力によって磨いてきた自分には、その師に対するあてどない恋心の宙ぶらりん故に自分には何もないと感じるわで、苦悩も深い第二部。

何処が素晴らしいか、と問われれば、全て素晴らしい。
環境、社会、制度、バレエ知識、ポーズの美しさを構成する手の向き足の向き顔の向き身体の方向。
新作に取り組む大バレエ団と、その新作スタートに埋め込まれた主人公ノンナの頑張り。根性物語のようでいて、スター誕生物語秘話のようでいて、しかし、バレエ芸術に対する視点の、当時のバレエ漫画に無かった革新性。また、恋する気持ちや発達途上の職業意識のナイーブな描写。
師への尽きない恋慕との葛藤、バレエの役柄への理解に対する試行錯誤など、中途半端な年齢と状況とから、なかなかひとつの解の無い中を模索し続けるさま。そこが素晴らしい表現力で彼女の苦しみを織り込んで追いかける為に、終盤近くのとりわけ圧巻のコンクールシーンで結実するシーン他は感動的。多くの漫画に影響を与えた場面。ここを読む度に、この作品の深み、バレエ芸術の美を感じてしまう。漫画に於けるダイナミックとは、これなのではないだろうか。

ミロノフ先生も要所要所でニクイ。

バレエ漫画といったらこれ一本しか私は長年認められなかったくらい、見事に完成された作品。
山岸凉子先生の作品群を振り返ると、きらめく第一歩を踏み出したかのような、その後の少女漫画界での活躍を約束されたような、それこそ後年巨匠になるのを予感させる初期の逸品。
強調する。名実共に不朽の名作。
何回も読みたくなる作品
2023年1月4日
今はなきソ連時代の話。理解できない時代背景だったりもありますが、純粋にバレエとそれぞれの恋愛を楽しんでもらえれば。楽しむと言うにはかなり重いですが、バレエに興味なくても全然楽しめると思います。「日出処の天子」より前の作品です。処天とは違い絵もキラキラしてますが、山岸作品が好きなら絶対読んでもらいたい作品です。
信じられないぐらい楽しい。
2022年11月5日
山岸涼子先生のかなり昔の作品にも関わらず、絵の古さやストーリーが古さを感じさせず、グイグイ読める素晴らしい作品だと思います。バレエを知らない私もバレエファンになってしまいます。🙂
単なるスポ根ではない
2022年10月28日
地方のバレエ学校で劣等生だったノンナが、師に導かれて才能を開花させるまでが一部。
喝采を浴びるようになったノンナが、もはや他人には手助けできない次元で自分自身と戦い、殻を打ち破るのが二部。
絵柄もだいぶ違う。
褪せることが無いバレエ漫画の王道
2022年2月8日
紙本で連載されていた頃に読んでいたので、すごく懐かしい気持ちと、今読んでも色褪せない素晴らしさを感じます。
バレエ漫画の王道を行く作品です。
ノンナやユーリが所属するのがレニングラードバレエ団とその学校で、描かれた頃は旧ソ連邦の時代だった事もあり、作品にも当時の体制の片鱗も見られる。漫画というのが単なる娯楽手段では無く、描かれた時代が反映された歴史の代弁者のようにも感じました。

1部の①…355頁、1部の②…359頁、2部の①…373頁、2部の②…423頁
不朽の名作
2021年10月19日
THE少女漫画という画風でストーリーも面白く引き込まれます。
バレエを知らない方にもぜひ読んでみてほしい!
何年経っても何度読んでも名作!
2021年10月18日
高校生の頃からレトロなマンガの魅力にハマってきましたが、やはり名作は色褪せない!15年以上ぶりに読みましたが最高でした。落ちこぼれバレエダンサーからの成長物語。かわいくて優美なるスポ根。あさひなぐ、アオアシ、ワンモアジャンプ、ベルばら、ガラスの仮面、王家の紋章、天は赤い川のほとり、夢の雫黄金の鳥、エースを狙えなどが好きな人はきっと好き。
レビューをシェアしよう!