このレビューはネタバレを含みます▼
読み手を選ぶ作品ですね。おそらくはR40。
環境の変化、価値観の変化、時代の趨勢、衰える身体、人の悪意、次々と襲いくる波に押されて人生で積み上げたものが崩れ去る諸行無常。若い、可能性の塊世代が読んでもピンとこないかもしれない。
その中でうまく立ち回れない主人公にもどかしさを感じつつも人の良さに嫌いになれず、何とか救いはないものかと読み進めました。
物語の後半、「情けは人のためならず」の言葉そのまま拾った子犬に自分も救われながら日々を過ごし、悪意だけでない人の情にもふれ温かい結末を迎え、安堵。やはり、人との出会いが人生を変えていくのですね。お父さんの言うように、避けてちゃだめだ。踏み越えていかないと。部長、大谷くんに感謝しなよ。