こちらは戸川先生の作品の中でいちばんダイナミックなお話ではないかと思う。何しろヒロインのマオは「龍の力」を宿しているので、そこら辺の人々が太刀打ちできるわけがない。といってもこの龍の力、半減したり消滅したり、他の人から移動したりとけっこう複雑。マオがすべての力を失ってしまった時には、読んでいる側の喪失感も半端なかった。
途中までの敵サイドが、やたらと強くて本当に嫌な人達。事情があったにしても、憎たらしかった。
ルーファスと白崙、ヒーローが2人いてヒロインがどちらを選ぶのか、献上された時点で何となく予想はしていたけど、自分としてはあちらを選んで欲しかったなぁ。その埋め合わせのように後年、ルーがあちらに猛アタックをかけるけど…。やはり選ばれなかったほうは不憫だなぁと。三角関係はあぶれた人が可哀想。
長期間かけて描きあげられた作品を、2日間くらいで読み終えてしまって申し訳ないけれど、続きが気になってページをスライドする手が止められなかった。