天才的な能力と引き換えに周りの人に思考が全て漏れてしまう脳の病気「サトラレ」、このファンタジーともリアルともつかない斬新な設定を軸にした傑作。作中に出てくるサトラレに対する解説は素人目には納得できる点が多いし、サトラレに関する法律、サトラレに出合ったときの周りの一般人の反応、そして性や生理反応といった人間なら誰しも持ち得る事に対する話をキチンと書くなど、作者がこの設定を綺麗事にせず、良い面悪い面を両方から描写する姿勢には情熱を感じる。そのようなストーリー的な面も面白いのであるが、やはり核と言えるのが、心の裏表なく全ての想いを人に伝えるサトラレと、本音と建前そして嘘を駆使しながら人と接する非サトラレの我々、どちらが人間らしく、そして真のコミュニケーションと言えるかというテーマである。これに対する自分なりの答えを見つけたなら、タイトルのようにあなたの人生が変わるかもね。