まさに冒険心と歴史的ロマンが砂塵とともに舞う作品
主人公・張騫の目を通して描かれる西域への旅は、単なる地理的探検ではなく、人間の好奇心と勇気の物語です
果てしない砂漠、異国の風景、そして未知の文化との遭遇が、コマごとに鮮やかに展開され、読んでいて胸が高鳴る
久松文雄の緻密な構成と久保田千太郎、貝塚ひろしの力強い描線が融合し、歴史漫画でありながら、まるで映画のワンシーンを覗き見るような臨場感を生みます
その軽快な筆致の中に、張騫の決意や不安、期待が巧みに織り込まれており、読み手は自然と彼の旅に同行してしまうでしょう
古代の歴史を舞台にしながらも、現代の冒険譚のようなスリルと感動を味わえる一作
砂漠の彼方に広がる未知の世界を、読者自身も一緒に探検している気分にさせてくれます