このレビューはネタバレを含みます▼
澄香の行動を通して、現代においてとても考えさせられるテーマが示されています。確かに世の中において会社を運営していくには当然お金が必要であり、そのために利益を出そうと考えるのはごく普通のことだといえます。ですが損得勘定と人間の生きる道徳的な道との関係については、ケースバイケースで変わる点があるということを再認識させられる内容です。この作品における幸運不動産店では利益よりもむしろ入居者の幸せの方を願い優先しようとする、他人思いの一面があります。正しい答えは出せなくとも、人のために生きようとする主人公の奮闘が、いつか実を結んでくれることを願っています。