ネタバレ・感想あり1812-崩壊-のレビュー

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主役は伍長ビクトルで描くナポレオンの戦争
2026年4月22日
長谷川哲也氏のナポレオン漫画について総評を書くには全巻読んでからにしたくてそれでも堪えきれずこの作品に事寄せます

長谷川哲也氏のナポレオン獅子の時代の読み切り版と謳われながらやはり完全に別物なのです

大フランス陸軍に属する伍長ビクトルの視点で語られるロシア遠征とナポレオンという作品
ビクトルはナポレオンの護衛ルスタム・レザと対決しても生き延びる程に強くて、いずれ出世するだろうコイツと感じさせる
自分はアワーズ掲載時にビクトルは射殺されたのかと誤解したら生存者の赤ん坊を引き取るので生き延びたのねと安堵した記憶が有る
この漫画、ナポレオンが自軍の兵を囮にし死なせ民間人たちを川に置き去りにする人物だと示しているので
当時は皇帝を称する人物の冷酷さに驚いた物ですが軍事に関わる物を読み慣れるとたやすく人を見捨てるという事に見慣れていきます
この漫画のナポレオンはかなりの悪役面です

長谷川ナポレオン漫画はネットでかなり人気作で自分も信者に近いです
であるから長谷川ナポレオンの良くない事を指摘したいと思います
『絵柄が変わり過ぎ』
これに尽きます
そもそもこの1812からして扉絵の彼は誰なんだ?と分からなくなります
ビクトルなんでしょうが本編の彼はここまで老けてないです
長谷川先生は連載の度に絵柄を変える位に幅広い人なのですが
ナポレオン漫画は1812のすぐ後に始まる獅子の時代ですらナポレオンの顔や絵柄が変化しています
長谷川先生は実験的に絵柄を変えるらしく
覇道になると長年アシスタントであった人が病没して絵がまた変わり
終盤20巻を過ぎると長年描かれたナポレオン達が初期からかけ離れた頭身が低い絵柄に落ち着いてしまうのです

1812の時点ではナポレオンの軍人皇帝としての冷酷さを描くに留まった作品が
ナポレオンや元帥やビクトル達の人間性や愛情や友情に加え
憎しみ怨み悔やみ嫉妬裏切り
ヨーロッパの貴族や国民たちも描かれるようになっていきます
ヨーロッパの帝国の栄華と地獄絵図のような戦場、男と女たちが見た夢と悪夢
と言っても、栄華はあまり描かれてないです
スルトやベルナドットやタレイランは栄華に包まれたままの人生かも知れない
1812で死にかけるビクトルは最後は立派に育った養女と再会し平穏な老後を迎えます

安全な所から天国と地獄を眺められる長谷川ナポレオン漫画を強く推薦します
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