前作の「天使禁猟区」を読んだのがほんの3年前で、実は20年も前の作品だと後で知りました。確かに前作と比べると作画が雑になっていましたが、萩尾望都先生の「ポーの一族」の新作を40年振りに読んだ時のショックに比べると全然大した事は無かったです!
ただ前作は驚異的な内容とスケールに感情を揺さぶられる作品なので、それに比べると少し小ぶりな感じですが、由貴香織里ワールドは健在です! 初め中学生の久遠とレズビアンのカリスの話にはうーんと思いましたが、ルシファー(吉良先輩)の登場でもうドキドキときめき、ベリアルのセクシーな保健の先生にキュートなドン、ミカエルにウリエルなど懐かしい登場人物で期待を裏切りません。
ルシファーの側近ガミジンのベリアルへの嫉妬から始まるラファエルの強奪。新約聖書の東方の三博士の1人である司祭の「反魂」への欲望の為ベルゼビュートと風護を利用した膨大な陰謀。刹那が閉じ込められた巨大な繭に「不知火」を投げたのはハイトの叔父である加藤の魂‼‼‼もう懐かしくてたまりません。紗羅と刹那のサプライズ結婚式に意外な母の登場....昔から「古事記」にもあった有名な同母兄妹の恋愛、天智天皇と妹の間人皇女など皇族系の兄妹のタブーの恋愛。刹那の苦悩と葛藤。
ルシファー(朔夜)が危篤の父に久遠を孫だと紹介するシーンは胸が熱くなります.....アレクシルが何度生まれ変わってもストーカーしてきたルシファーの愛の深さ.....アレクシルがルシファーに“バカな男”と言う大好きなシーンがまた見れて幸せです。これからも続編に期待します。