「逃げる」というテーマはいいなあと思ったんだけど……幾もミトも、辛い過去はありながら、一方で恵まれている部分があまりに大きすぎて、高低差がありすぎて、うまく受け止められなかったです。お互いに出会えて良かったね、という気持ちになれなかった。
そして、「おまえでダメなら~」もそうだったけど、大事なところを長い文章で語ってしまいがちなのが残念です。
玲音とあんこ玉のエピソードは良かったです。これがなかったら幾をまったく好きになれなかったかも……。
八斗がいちばん好きです。「三斗の双子の弟である八斗」をちゃんと描いてくれたのも良かった。
一方で、全く触れられもしない幾の弟……彼からしたら遣る瀬ないだろうな、と最後に思ってしまいました(嫌なヤツ設定なんだろうけど)。