どれも少女漫画ならありそうなのに絶妙に印象的。それぞれの、相手の男の子達のキャラも、ツボをついた態度やセリフにちょうどはまれる。
4作品共粒が揃っていて4度楽しめるのがいい。
ひとめぼれの良さは、己の直感だけ、というところ。視覚情報(or-聴覚・嗅覚)や雰囲気、オーラなど野性の本能で感知するもので、そこに小賢しい計算や打算の類が一切入ってない。だからいい。xxxだから、とかの好きになった時の理屈が入る恋物語よりも十代の衝動が現れていて、納得できる。その一瞬で舞い上がってしまう、一目惚れに「落ちた」瞬間を描写、なのではなくて、本作は落ちたあとの恋がもう走り出してしまってるほうを描いている。そこがいい。
相手に気づかれて、とか、ひっそり押し留めて、とか、一目惚れされてしまって、とか、ど直球に会うセッティングに持ち込んで、と、4作にその他の共通項無く読ませて結末までドラマが巧みに綴られるので、どの作品も楽しめる。男の子にこう出てこられたら、といったような期待が漫画になったような、女の子の願望要素強い最初の作品から、主人公の女の子のアクティブな性格が少しも裏目に出ない最後の作品まで、どのキャラも男女両方に可愛らしさがある。
ただ、絵の個性はもうちょっと私は欲しいタイプ。特に人物。どっかで見た気がするような、あっさり顔で、高校生にしては幼い感じもしてしまった。こうして1巻にまとめられた時は、個々のビジュアルには少しはドキリとアピールしてくるような、読み手のこっちもヒロイン達の目と一緒に追体験できる所があったらもっと良かった。男の子の言葉や動作には私の胸に来るコマがポチポチあるので、欲張りかもしれないが、そこだけとっても惜しかった。