このレビューはネタバレを含みます▼
ストーリーは粗め、でもその分気持ちが強く出ている作品だった。
コロナ禍を越えての作品とすぐ分かる全体的に暗いムード。でも気持ち先行話粗めが相まって、「震災後」「コロナ禍後」のようなわかり易くもう過去のお話ですよ、といった距離感がなく感情にダイレクトに響いた。暴力的に訪れて過ぎ去って行った悲しいこと納得いかないこと。それでも生きていかなきゃいけないこと。そんな苦しみの中で抱えた野放図で未消化な気持ちを目の当たりにした気がします。
後はありがちではあるけれど、絶望の果てに誰かの熱を求めてしまう場面、悲しくて切なくて、美しい。