ヒロインは会社であまり嬉しくないやり方で担がれた。相手がどう受け止めるか、なんて考えもしないでそんな風にふざける同僚。そんなからかいを逆手に、「冒険」に飛び込むヒロイン。
彼の言葉が頭に響いて、思い切って飛んだ。
まだ磨かれていない才能を開花させる、彼のこの発掘行為も一種のシンデレラストーリーのバリエーション、なのだろう。
彼もまたずっともがいていた。ヒロインの存在が救いとなった。
ヒロインが飛び込んだ先は、外国で何もかも知らないところ、そして決してはじめから暖かかった訳ではないが、少しずつ馴れ、そして、勇敢な行動力がかたくなだった義母の警戒心を解いた。
絵もストーリーも全て無難にまとまって、盛り沢山の内容がうっとおしくない。各人物も、らしく期待通りの動き。
このストーリーは一定の面白さはしっかりあるのだが、なにかが普通なのだ。
話は、王子様登場だから、ハーレクイン的に普通だったような気がするのだ。
「冒険してごらん。人生は短い」、ヒロインにだけでなく、読み手のこちらにも響いてくる言葉だ。この背中を押すテーマから勇気を貰える。