ネタバレ・感想ありオナベの私が男にイカされまくった話(合本版)のレビュー

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気になる描写が多すぎてエロに集中できない
ネタバレ
2025年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 時々性自認が揺れるけれど、男性として「完パス」しながら生活しているパンセクシャルのトランスジェンダー男性当事者です。普段はミスジェンダリング(「女性」として扱われること)はもちろん絶対されたくないですが、たまには「女」としてもエロいことをしてみたいという矛盾した(?)願望があるので、この漫画を読んだら擬似的に体験できるかなと思い読んでみました。
この主人公は普段は完全にサラリーマン男性として生活しているという記述があることから、おそらく何らかのトランス男性的な存在であると推測されますが、「ホルモン投与をしている」という記述があるのに顔や体のラインがかなりシス女性っぽく丸みを帯びた感じに描かれていること、「かなり小さくなったはずの胸」という記述から、胸オペを受けたのかな?と思いきや、胸オペの跡が描かれていないことから、「この作者はトランス男性の当事者をあまり知らなくて、結局『単なる男性装をした女性』としか思っていないのでは? この作品はそういう誤った認識のマジョリティの読者がトランスジェンダー男性を性的に消費するために読むのでは?」と嫌な気持ちになってしまい、感情移入も興奮もできませんでした。(もちろん、ホルモン投与を続けていても体の線が丸いままの当事者もいますし、胸オペの跡が見えにくいという設定があるとか、元々小さかった乳房がホルモンで少し縮んだ設定とかの可能性もありますが、重なるとさすがに「作者が分かってないか、シスヘテロの読者が消費しやすいように女っぽく描いているだけでは?」と勘繰ってしまいます。)
表紙では『ナベシャツ』らしき下着(それにしてはダボっとしているが)を身につけているのに、作中では身につけていない、という設定の甘さ(?)も気になってしまいました。知らない間に薬を盛られていたという設定(しかも作中では軽く流されている)も「え、性暴力が軽く流されすぎ…」と正直ドン引きしました。とにかく気になる、というか引く要素が多すぎてエロに集中できないのが本当に残念な作品でした。セクマイ当事者目線で見ても楽しめるエロ作品がもっとほしいですよね。
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