配信ドラマ化が決定したカルト漫画、国民クイズ。
SF系のジャンルでは、これまでありとあらゆるディストピアが描かれてきたが、これはAIもロボットも宇宙人も出ない、人間の人間による人間のためのディストピアだ。
国民クイズという設定のアイディア一本勝負ではなく、骨太な人間ドラマや皮肉たっぷりのギャグ、緻密でド派手な作画の勢いなど、読者を引き込む要素が満載だ。
原作者のあとがきを読むと、当時はイマイチ評判が良くなく、あの怒涛のクライマックスは打切りエンドだったことがわかる。あの終盤の鬼気迫る勢いは、ある意味この作品の魅力の1つにもなっているのだが、原作者が披露した没ネタを見るとかなり面白そうな内容なので、ぜひ漫画で読みたかったと惜しまれる。完全版という名目で加筆してくれないかな(笑)