何回か読んで、この話の良さが分かりました。
最初試し読みで読んだら、今の高校生が抱える難しさが書いてあって、用務員さんが解決に導いてくれる話かなと思っていたら、解決もせずなあなあに終わってしまったので、初回の読んだ感想は「すっきりしない」でした。
でも、改めて思い出してみると、子供でも大人でもきれいに完結できる問題ってないですよね。大体が、何らかの後を引きながら、徐々に解決に向かうか、関係者が別の方向を向いたから問題が深刻にならなかったかとか。
用務員さんは、その人が困って停滞しかけたところにすっと入っていって、空気の入れ替えをする、やんわりと交通整理をする、そこで救われたり勇気をくれたりする。そういう、そっとした優しさに救われたこともあるので、あの多感な時期に狭い世界でうまく折り合いをつけていかないといけない子達にはかなりの救いになったんじゃないかな。
会社でもこういう人がいたらなあと思いました。