ネタバレ・感想あり鬼のレビュー

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書かれているとおり本当に涼しくなりました
2024年6月30日
とても怖かったです。
長編、短編、中編と
異なるお話が三つありますが
私は最初の長いお話を推します。
怖い、悲しいだけでなく、
最後ウルッとくる素敵なお話でした。
ほかにも、短いお話なのに
人生について学べる二つ目。
そして、不思議な食べ物を食した
だけでとんでもないことになってしまった
腹違いの姉妹の行く末が描かれた三つ目。
すべて面白いです。
ぜひ、一度手に取って読んでいただけたら幸いです。
夏が涼しくなること、間違いなし…?
恐怖の山岸トップ3のひとつ
ネタバレ
2024年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ ↑自分にとってはです。懐かしいので購入。
収録三作品のうち表題作「鬼」は、幼少期の記憶に強烈に焼き付いたのかほぼ覚えてました。
飢饉による口減しの末のアントロポファジー。そんな激重いテーマを…キャピキャピした大学のサークル生達が霊的に体感し昇華するお話です。一応のハッピーエンドだが辛い。でもちゅき。
他「ある夜に」は10P程度、ある夜ある道行きのお察しストーリー。短いけれど先生の死生観出てる気がして面白いです。
「時じくの香の木の実」は一族を栄えさせる力を持った巫女のお話。権力に取り憑かれた大人の理不尽。昔々の水害に人柱とかそういうの、生け贄的なやつです。
山岸先生のホラーはスピリチュアルな類いも怖いんですけど、土着の信仰だったり昔の風俗因習だったり…人の醜悪さが滲んだリアルなネタがいっそう怖い。
鬼とは、内なる邪鬼
ネタバレ
2023年12月6日
このレビューはネタバレを含みます▼
時空が行ったり来たりします。鬼は結局、内なるものというかね。
時じくの香の木の実
これ、やってたら、8歳の子ども毒殺です。
巫女の処女性は、この作品では、重視されていますが、実は、巫女は、神に捧げるからと言って処女でやなくてもいいんですよ。どちらけというと、接待してたくらいの役割です。そして、あるある、インセスト、で両性具有が産まれました。
何だか切なくなる
ネタバレ
2023年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「鬼」大学生のサークルメンバーが、東北地方へ旅行に行ったお寺で不思議な現象に遭遇します。現在と過去の出来事が行き来して、ストーリーが進んでいきます。過去に何が起こったのか、地元の人々が避ける寺の云われとは何かをサークルのメンバーで調べていき、徐々にかつての子供達とリンクしていきます。このお話の最後の山場の方は少し泣きそうな気持ちになりました。過去とここでは示しましたが、そう昔のことではなく、現在異常気象に悩まされる私達にとっても切実な問題になり得るものと思います。そうせざるしかなかった親達と違う選択ができるのかと考えさせられ、忘れがたい作品です。
「ある夜に」別作品に収録されている「時計草」と同じようなテーマであり、短いページ数でも作者の考えが色濃く反映されているなあと感じます。
「時じくの香の木の実」意味が分かってくるとちょっと怖くなってきました。
久しぶり
ネタバレ
2024年3月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずいぶん前にコミックで読みました。電子書籍でまた読めると懐かしく思い購入。やはり怖かった。鬼は内容は忘れていましたが、最後は穴に落とされた子どもが成仏できて救われたようで良かったです。生き地獄を味わうならばいっそ親の手で‥そのとおりかと。時じくの香の木の実は強烈な内容ではっきり覚えておりました。日影がかわいそうだと思うのですが、一族の人々は本当に自分たちのことしか考えていない。
最近のホラーとはひと味違います。
2024年2月4日
絵柄や表現はちょっと古いのですが、
最近のホラーとは違いなんと言うか
精神的にキツイ話で読んだ後、鬱になる気もしました。
しかしながらストーリーも濃密で精神的なホラーがお好きなら
お薦めです。

注意・カニバリズムや近親相〇の話も有り苦手な方にはお薦めできません。
3作
ネタバレ
2023年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「鬼」はオカルトサークルの大学生が飢饉の頃の子捨ての話を聞いて自身の身の上とリンクして赦しを知る話。
ちょっと物足りない。
「ある夜に」は短いけどこのグチ女みたいな人ってリアルにいるから死んでも同じ何だなと笑えた。
「時じく~」はやっぱり日向は子供だなと思う。
ホラーと違う怖さ
ネタバレ
2024年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作「鬼」はオウム真理教事件があった頃の話みたいですが、飢饉を扱った話で、子どもへの仕打ちは記録に基づかない作者の想像としても、飢えも生きたまま閉じ込める生き地獄も悲惨極まりないのがよくわかり怖いです。話は飢餓の怖さにホラーも混ざって行ったりきたりします。主に弔いの話。親を許せないままでも成仏してほしい。

貧乏人の子沢山というけど、縄文時代だと子どもは平均2人狩りの少ない冬に産まれるようバースコントロールしてたらしいです。為政者の下に置かれてからは、計画性無くして避妊せず妻に産めるだけ産ませ、育てられないからと売ったり捨てたりと考える力をなくされてたことも恐ろしいです。

二作目はより時代を感じます。作者は「ケサランパサラン」でも「事件は欲が発端」と被害者のせいにしてるけど、ここも「本当の被害者なら恥じ入るはず。被害者だと言って回るのは構ってほしいだけ」みたいな発言。それが被害者が相談できない、被害届もだせない原因になっていた世間の価値観。なぜ被害者が恥じる必要が。ただ1981年の作品なわけで、今わざわざ再発表することないのにな。
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作家名: 山岸凉子
ジャンル: 青年マンガ ホラー
出版社: 講談社
雑誌: モーニング