ここ数年目にするようになったヤングケアラー問題。どの子も精神的にも肉体的にもギリギリの状況でそれでもなんとか自分も家族も守っていこうとしている姿がとても辛かった。作者の方も経験者ということで、いろいろ思うところがあったのだと思います。最後の主人公が出版社に勤めて少しでも多くの人にこの問題を世の中に知ってもらおうとしているところはもしかしたら作者の姿の投影かなとも思いました。老いは誰にでもくる。体が動かなくなってくるとどんどん認知症状も進む。実際自分も介護に片足突っ込んでる世代(祖父母ではなく親のですが)なので親世代の思いも分かりますが、まだ若い子供たちが自分たちの生活をも崩しながら介護をし続けなければならない状況はなんとかしなければいけないと思う。教育関係者にはぜひ読んで欲しい。もちろん教育関係者だけではなく色々な世代の様々な人たちに、読んで、考えてほしいと思える1冊です。自分はヤングケアラーではなくても自分の子や孫がヤングケアラーのなる可能性はあるのだから。