熱血と神秘が交錯する異色のスーパーロボット作品
作者の怪奇色と熱量が全編に脈打ち、主人公大牙剣の内面に宿る"獣"性と"正義"の葛藤が物語を深くしている
肉体変身というギミックは単なる演出に留まらず、人間の本質を問う装置として機能している点が秀逸です
敵勢力「ドラゴ帝国」のビジュアルと思想もどこか宗教的で、不気味さと魅力を同時に放つ
アニメーションの荒削りさすら、作品の原初的エネルギーを高めているように感じられる
ラストに至るまでの怒涛の展開は、90年代前夜の混沌とした空気感を見事に反映している
総じて、単なるヒーローものに収まらない、怪作としての輝きを放つ一作である