寂れた影の王子が、一歩ずつ日の当たる場所へ踏み出していく物語は、王道の気持ちよさをきちんと押さえつつ、どこか懐かしい余韻も残します
アルフレッドの誠実さが物語を静かに牽引し、テンプレ展開にも自然と温度を与えてくれるのが好印象👌
一方で、設定の粗や展開の早さから、もう少し深く世界を味わいたい読者には物足りなさも‥
黒髪差別などの理由付けが軽めで、“お約束感”が強い部分は賛否を分けそうです
それでも、素直に楽しめるキャラの掛け合いと、整ったアクション描写には確かな魅力がある
“特別な一作”というよりは、肩の力を抜いて読める良作としての安定感が光ります
気分転換に王道ファンタジーを求めるなら、ちょうどいい読後感の一冊