この作家さんは、センスあふれる才走った人。人ならぬネコ君がじっとり観察する人間の可笑しみに、「そうだよなぁ」と笑いながらも泣けてきちゃう。センスや才能を見せつけるようにモロ出しにはせず、隠してひねってと、かなり手がこんでいる。そして画力!「どうだッ!」とウマウマを全面展開はせずに、才に任せた筆の走りはぐっと抑えて、敢えての下書き風の装い。それでも透けて見える剛腕な画力。センスも画力もたんまり備えた才人が、それを隠して敢えて泥臭くするという、ハイ・センス。ほんと、ただ者でない。吹き出しにある手書き文字も、いいぞぉ!