『葬儀』という『死』に向き合う必要がある暗いテーマを取り扱う上、あやかしを憎みあるいは搾取して迫害する数の弱者たる人間と、人間をあるいは異端を蔑み意識無意識双方で差別する選民意識が刷り込まれたあやかし達、という世界観。
そんな環境である故に基本的にどのエピソードも嫌な雰囲気と後味の悪さが舌の奥に苦みとして常に残る作風。
欲望・恐怖・軽蔑・差別・搾取・迫害等の大多数の嫌な空気の中に一つまみの奇麗な感情が見えるが、なんか悉く奇麗な者たちが浮かばれないことがはっきり描かれる渋い展開。
良い物語ではあると思うが、上記のように物語の底に流れる嫌な暗さと、派手さや盛り上がりに乏しい淡々とした進行で、合わない人はとことん合わないと思う作品。