読んでいる最中から、こんなにキャラの幸せを願う事があっただろうか…。主人公のラブドール「キルト」は、購入者をいつも気遣い自身の気持ちは二の次で。相手の青年は「キルト」購入者の息子「真昼」で、偶然「キルト」と関わりを持ち惹かれていき、お互いにかけがえのない2人になっていく。何度も何度も襲う喪失。すれ違う2人。ラブストーリーには定番だけれど、それがあまりにもつらすぎて、切なすぎて、流れる涙を止められなかった。「終わり」の文字が見えた後は、嗚咽が漏れるほど涙した。さて、終わりがどの様であったのか……興味ある方はぜひ辿り着いていただきたい。読後にはきっとあたたかな何かが、あなたの胸の中に残るはずだ。(ただし暴力が苦手な方は、読むのを控えた方がよいかもしれない)