ネタバレ・感想あり最強忍者の僕が魔王の娘たちのメイドになった件のレビュー

最後まで買ったから言いたい放題を言おう
この漫画は最初から最後まで「まだ練れるね」と感じる
魔人の国との結界が薄れたので人間側は調査隊と銘打って斥候を送り込む
その一人が王が直々に選抜したと思しき忍者のヒカゲである
彼と同行している調査隊はこの後一切登場しない

そもそも調査なのに魔人の国の暫定的統治者の居城にヒカゲはのこのこと警備を突破して乗り込む
そこで出会ったのが統治者である三姉妹のアルタイルであった
これ魔人の国からしたら大統領の住居に刺客が潜入して弑逆される寸前の危機だよ
アルタイルはヒカゲの事を阻止する事もせずに女装させて自分に仕えさせる
これは達者な作家ならアルタイルの実力と恐ろしさを示すために「ヒカゲの男性　器を実際に切り落としてこれからお前は女だ　これを返して欲しければ私に服従しろ」という展開にしただろう

アルタイルは妹であるデネブ、ベガと正式な王としての地位を争っているのだが最終回が終わってもそんなのは決まらない
三人が力を合わせて王という事にすれば、じゃないんだよ　そんなのは何も決まらなくなるぞ　本当に力を合わせられるなら誰が王になっても協力できる

この作品が続いていたらきっと魔王とヒカゲが結婚して魔人の国と人間の国に和平が結ばれた、という安直な結末が待っていたのだろうけど
ヒカゲは無自覚に他者を傷つけるタイプだから実際には上手くいかないだろう　善意のつもりで結界を破壊したりしそうだ
魔人の国と人間の国の結界は互いの住民を守るために不可欠な物だ　違う人種と本当に信義が交わせるなら国と国が隔てられていても信じる事が出来るだろう

作者さんお若いようで絵は悪くないので、もっと練って下さい