腰掛け気分で眺めるように話が進んでいった。いつの間に好きになってたの?債権者に対して借りてる方がなぜあんな強気な態度を?この三角関係、苦しみも鞘当ても伝わりにくい。ストーリーに入り込んでる要素は面白いものを抱えてるのに、あれ?という唐突感で強引に説明されて。
話の中で当人たちは好きだなんだと説明しているが、読み手に状況証拠の提示が足りず、信じきれない。愛が育った感じがしない、それでも借金返す気になったんだ、と、そこは変な感心。
弟はプレイボーイということだが、説得力がない。
傾いていく気持ちを絵でもっと訴えかけて、語りかけて、恋愛の盛り上がりを味わえるようにして欲しかった。
描線が私の好みよりやや弱い。その為なのか、私の目には兄弟がはかなげに見えて、農園を守る、という目的を果たす前に体力を心配したくなる。
結果的にデートで弟君を期待させたヒロインが、お兄さんへ想いがあることを、予防線引いて匂わせるべきだったのに、そうしなかった罪だってあるだろう。お兄さんも曖昧な対応で弟クンを傷つけてる。
これで結婚式あたりのあれやこれやは残酷な感じがしないでもない。
優柔不断気味な兄が弟の意中の人を奪ったみたいに見えてしまって、この作品ではヒロインの相手として好感を落とすのは上手いやり方とは言えない。
冒頭威勢よく遠ざけたヒロインに唐突に訪問して結婚話を展開する強引さも理解しにくい。