ネタバレ・感想あり【ラビオス】愛で固めた砂上の箱庭【単行本版】のレビュー

(4.0) 1件
(5)
0件
(4)
1件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
砂上の意味
ネタバレ
2025年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ファンタジー系で1番大変なのは没入感を出すことだと思うのですが、冒頭で知らない世界の知らない設定の説明ラッシュがあったのが勿体なかったです。知らないキャラクターの住む場所を先に説明されても授業で知らぬ外国の歴史を見せられてるのとそう変わらない感覚になってしまいました。
すごく好きな子の住む国なら知りたい気持ちで夢中になれるのですが…!つまりそういう事です。読み進めていくとかなりシリアスな世界設定だと判明して後半はお互いへの好意や、同じ時を生きられないからこその辛さなど好きな部分も増えていったので、だからこそ勿体なかった感じがあります。全て読んで残った読者側の感情と作者さんの読ませたい部分の感覚がズレてるのかもしれないです。
個人的にはエロが多すぎる!に尽きます。イメージとして言うなら『せっかくストーリーは重めで切ないのにエロゲとして発売するからにはエロを入れないとならず、エロを入れたがために逆に評価が微妙になったゲーム』っぽいです。エロシーンにページを割くならもっとキャラクターの深い部分に触れて欲しかったし、最後の夜にプラトニックだったところ一度だけするとかでもきっと十分刺さりました…!

しかもエロが割とテンション高いというか表現が男性向け風なのでシリアスさや事態の深刻さとの噛み合わせが悪いです。そこが作者さんの持ち味なのかもしれませんが作品内容に合わせて調整して欲しかったかも。背景や仙人様のわざのエフェクトなど作画の綺麗さや世界観はとても良かっただけに、もっと感情移入させて最後に泣かせて欲しかった!
1番感情移入できたシーンは仙人様が過去、滅びかけのビル群背景にいたシーンでした。神様として構築を繰り返すようになる前は同じ人だったのかと思うと一気にキャラクターとの距離が近くなった感じがして好きでした。

あと、ここ1番大切な部分なのですが割とビターエンドで人によってはメリバに近いかも。
あとがきの、もう一度読み返したくなるように、は作品内容的にも言いたいことがめちゃくちゃわかるだけに…!切ないものがあります。同人版でも良いので、作者さんがこの作品の神として、もう一度この世界を再構成したお話も読んでみたいなと思いました。

巻末にあるキャラ名の由来だいぶ切ないので是非見てみて欲しいです。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!
作家名: モリて潮
ジャンル: BLマンガ
出版社: アーク・プレス
雑誌: Labios