ネタバレ・感想あり10歳で性被害にあいました 誰にも相談できないのレビュー

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真面目な問題提起をしてくれる作品
2025年9月8日
ショッキングな題名に、被害者の児童にどんな実態があったのか気になり読んでみました。「“性被害”= 無理やりな性行為」だと残酷過ぎると心配しましたが、そこまでに至る事前の事案だった様で、ほっとしました。

むしろ最悪の事態までこなかった事で「そんなことくらい。」と過小評価になる危うさをはらんでいます。

被害者児童は学校へ行けないくらいのショックを受けています。加害者児童は家庭環境に問題があり、性行為がどんなものか知っており、他に人目のない場所で性的な接触を行っており悪質です。これを「スカートめくり」と同列にとらえてはいけません。加害者児童には自分の行為が“犯罪”である事を理解させ、今後一切行わない、許されない事だと自覚させる必要があります。これが周りの大人の責務です。(そもそも「スカートめくり」だったら許されるのかと言えば許されませんが。)

昨今ではインターネットを介して溢れる性的な情報、しかもそれが正しいとも限らなく。SNSの利用による拡散など、昔にはなかった条件がからみ、より問題を難しくしています。

幼いうちから「プライベートゾーン」(水着や下着で隠れる部分と口)を守る必要を教えたり、もしそれが侵害された場合の行動を教えたりするだけでも、犯罪にあう危険性を下げるかもしれません。

社会全体が子供を手厚く守るべきですが、必ずしもそうではありません。せめて自分達に何が出来るのか?考えさせられるきっかけを与えてくれます。
素晴らしい!
2025年2月15日
たまたま読み始めたけど、とてもリアルで、真摯な作品でした。相手の意思を無視した性加害の恐ろしさに戦慄すると共に、周りの大人たちの不甲斐なさにも呆れますが、それぞれの立場や事情も見えてきます。自分にできる最善を尽くすこと。それしかない。良い作品をありがとうございます!
考えさせられた
2025年2月13日
子供目線や、周りの大人(女性)目線で描かれていて、その人その人の立場からの心情に共感した。女性であるが故にナチュラルに差別の目を向けられている事なども先生を通してわかりやすく描かれている。子供にとって注意喚起になるし、大人も今一度性加害や、性教育について考えさせられる作品。絵も丁寧で綺麗で読みやすかった。
かなり現実的…
2024年12月9日
せっかくやりたかった放送委員会に入った小学4年生の主人公 なるみが、上級生でもあり クラスでも問題のある6年生のゲンシに性的な被害を受けてしまうという流れのストーリー。結局は男性の先生って…「何が どうして悪い事なのか」話をしない。謝れば それで終わり、って思っていることこそ、主人公の親や学校の先生達の甘く 浅慮な考えだと思います。被害を実際に受けた本人を無視した親と学校側の対応に、物凄くリアルさを感じました。こういう男の子、実際必ずいるんですよね…。スカートめくりは勿論、性的な言葉を女子に言わせたり、エスカレートしたらゲンシみたいに触ったり…。まず、クラスであれだけ男子にも嫌がらせをし、女子全員に避けられるような子に、なんで男性教師が担当にならなかったのか…。先生も大変だな、って思いは勿論ありますが、しっかり言うべき事、教えなければいけないことは言ってほしいな、っていうのはあります。ゲンシの家族や育った家庭環境に問題があり、最悪なのはどうしようもないこととして、ただ謝らせるんじゃなく「この子にどれだけ酷いことをして、どれだけこわい思いをさせたのか、」わかるまで話さないと、こんな子は、またやります。本当に、どうしたらいいのでしょうね…こういう子は…。周りからああだこうだ言うのは簡単ですが、実際こういう子は本当に人の話を聞かないし、聞く耳を持たないので、全ては家庭の問題からなのに 学校側は全てに配慮しなければならなくて、手が回らない…。現実をリアルに描いていて 色々考えさせられました。
クラスの半分以上の女子はセクハラ被害者
2024年12月9日
セクハラに会ったことのない女子ってどのくらいいるでしょう。哀れな犠牲者は自分が傷物になったように周囲に思われたら繁殖市場で価値が下がるので、絶対に他人に言いません。一人で闇を抱えて生きて行くことになります。
性的暴行者のほうもその心理を知っているので加害する。
匿名で、登場人物名を書かないことが決まりの悩みボックスを全ての学校に設置してはと思います。
性被害の怖さはその時だけじゃない
2024年12月12日
痴漢にあった時、座席と扉の横に立っていました。座席横に板はなく、パイプの骨組みのみでした。
座席側の60代くらいの男性が私のお尻にグリグリと肘を強めに当てていました。
その時はまぁいいか、と思ってしまい、体勢を直すふりをして何も無かったように振舞いましたが、その男性は私がよく使う最寄駅で下車していて、あの時行動を起こさなかった事を今も後悔しています。
痴漢は被害を受けた時だけじゃない、他にも怖い要素がある事をその時初めて知りました。
被害に遭ったとき、どういう行動を取れば良いのか知っている事は本当に大切。

読んでて主人公のお母さんの、娘さんの気持ちを汲もうとしない言動にとてもモヤモヤしました。
私も大きい音が苦手で、突然扉を大きい音でガチャって開けられたらきっとびっくりする。もしかしたらHSPやADHDとか何かしらの心理的傾向があるのかもしれない。それを気難しいで片付けてしまうのは理解するのを諦められてしまったようで悲しい。
時代背景でそういった考えも根付いてなかったのかなとは思うけど、寄り添って欲しかった娘さん側の視点でどうしても考えてしまう。
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作家名: ちくまサラ
ジャンル: 女性マンガ
出版社: KADOKAWA
雑誌: LScomic