ネタバレ・感想あり母という呪縛 娘という牢獄のレビュー

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子は親の所有物でも承認欲求の道具でもない
2025年9月23日
「 親ガチャはずれ 」なんてレベルじゃない、母親に人生を支配された気の毒すぎる娘さんの実話を元に描かれた漫画。
実際にいるなー、親自身が受験に失敗した・己が偏差値低い高校出て大学行けないレベルの学力だった とかで、反動で我が子に過剰な教育を施す親。
子供は「 ロールプレイングゲーム・親の人生2回目 」じゃねぇよ?
人生・将来を左右する、「 進路 」という分岐点で 親が過剰に出しゃばると、ロクな事にならない。
この作品みたいな哀しい結末にならなかったとしても、親の感情と都合や見栄・子をエリートにして親の手柄にしたい・などの欲望のみを我が子に押しつけ進路を指図した場合、ヘタをすれば 長年 子に恨まれ、距離を置かれて孤独な老後になるよ?
老後は子育ての結果・通知表よ? 親が年老いて弱ったりピンチの時に、子育ての結果がわかるよ。
母に束縛され続けた実在の娘さんが可哀想過ぎる。
現実的に、工業高校卒の母親に医学部受験の手ほどきは無理よ。
工業高校は国立受験に必要な数2Bを習わないし、国立大医学部の受験だと数3まであるからね?
普通科の高校じゃないなら、数1Aまでしか授業が無いから国立大受験は無理ゲーよ。
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親子の関係は人格を左右する
ネタバレ
2025年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ モラハラDV夫なら、シェルターに逃げて接近禁止令という手段で夫から解放される人は少なくない。
何故なら夫は他人であり、夫と出会う前には良し悪しを判断する術を人生で多少なりとも学んでいる。何より夫は他人だ。
でも、この主人公の様に、生まれてからずっと母親から棘の様に絡み付かれているなら、「これはおかしい」「自分を守る為なら、自分に危害を加える相手を法的に訴えても良い」等の思考回路が芽生えるチャンスも著しく削減される。何より、母親だ。
モラハラDV夫を法的に粛清しても、現実に○害する例は少ない。
この主人公は、母親に法的措置はしなかったが、実際に○害した。
この事件には『愛憎』という言葉を深く感じる。

ところで、以下はワタクシ事です。
私の母親は毒親という程ではなかったけど、この物語の主人公の母親と同じく、小学校低学年まで自宅では私の横に付きっきりで、私が算数の計算や時計の時刻の計り方を間違えると、即座に平手打ちされたのを覚えている。
伯父(小学校教師で私の家庭教師)も、小学校高学年からは母とバトンタッチして同じ様に私が勉強するのを凝視しながら、私が間違うと、即、平手打ちした。

中学からは自分で勉強出来るようになったけど、あの2人の悪影響は未だに負の遺産として残っている。
社会人になった今も、横に誰かが来るとひきつって思考回路が止まる。
私は小学校までで解放されても一生もののトラウマを持ってるのだから、この主人公の人生を蝕む物がどれ程大きいか、考えると酷く重い。

母親を殺した後で、「モンスターはいなくなった」とSNSに挙げていた。
私の場合、母が亡くなった時は悲しかったが、伯父が亡くなった時は「ああ、やっといなくなったんだな…」みたいな事をふと思った気がする。

教育って、勉強を教えるより、1人の人間を出来るだけ真っ直ぐ育てる方が遥かに重要で遥かに難しいと思う。
私は子を持つ事を拒否し、今に至る。

この話に戻る。
こう言ってはいけないのは百も承知だけど、母親が息絶える迄に、なぜ自分は娘から○されるのかを、少しは思い当たってたならいいなと思ってしまう。寝落ちして何も考えてないまま○ぬのでなく。

この事件は、出所後の彼女がどう生きて行ってくれるかまだわからないけど、他人に寄り添う仕事をしてみたいとご本人が獄中で仰ってる。心より彼女の救いを祈りたい。
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作家名: 齊藤彩 / Sato君
出版社: 講談社