誘拐に、嵐に、暴漢と、幾度となく危険な目に遭うヒロイン。
犯人の襲撃や顛末が唐突で簡単に発生した感が強く、いかにもおはなしの世界の、主人公を危機に陥らせること目的のためのハプニング、として用意されたみたいな印象。
そのピンチからの脱出も、やすやすと生還。
二人それぞれの気持ちの説明はあるのに、感情の盛り上がり描写は物足りなかった。
敵も味方も手勢が薄い。それぞれのバックに
人数が控えているつもりか知らないが、実質二人対二人ぐらいの小ささに感じてしまう。
絵は丁寧だから、異国情緒はたっぷりだのに、なんとなく翻弄された感、大きな人生の転機感、運命の出会い到来感、そんなロマンをビジュアルでもっと味わいたかった。
二人の絵は良かったので、二人の間に漂い始める雰囲気に熟しがこれから、という、はじめのぎこちなさが外れていくシーンを見たかった。夢見に語らせるだけでなく。
顔のアップは多い。絵は細かいのでぞんざいな感じはしないが、コスパは悪いと思ってしまう。、