ネタバレ・感想あり無機物BL 傘と傘立てのレビュー

(5.0) 1件
(5)
1件
(4)
0件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
夏が来れば思い出す…傘✕傘立てBL
ネタバレ
2025年7月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無機物BL、傘と傘立て…とタイトルを読んで、去年の夏、シーモアBL界を席巻した「放課後水いらず」を思い出した。
 シーモア読者なら、履修済みの無機物カップリング。
 昨年、あの作品で無機物BLの洗礼を浴びた自分が、別の傘と傘立てで萌えられるのか?と、再び何か試されているような気持ちで手に取ってみた。

 ハラキ先生による本作では、傘と傘立ては、本来の用途で登場。自力で歩いたり、泳いだりしない。
 そう、彼らは無機物としての自分の運命を受け入れているのである。
 そんな制約された空間と動きにもかかわらず、ワンコな傘とツンデレキャラの傘立てが、会話を交わすうちに、お互い唯一無二の存在となり、ついには雨のしずくで濡れた傘が、傘立てを攻めるシーンがあるんだけれど…、とっ、年下ワンコの言葉攻めで年上受けが初めての感情を引き出されて、徐々に身体がほてって疼いてエッチになっていく姿が、ヤバい。見た目変わらないのに、開発されるに従いモノローグもどんどん可愛くなっていってて、「あっ、傘立て、ホントはこんなに可愛い奴だったんだ…」と、気付いたら萌えていたのだ、しっかり。

 途中で登場したビニール傘君も、傘としての諦念を抱えた存在で、いいスパイスを効かせてくれた。この子も幸せになってくれ、と祈らずにはいられない。

 えーと、作者様によれば、無機物BLの入門書なんだそうなんだけれど、やっぱり上級者向けなんじゃ…?と思ってしまう。でもね、制約された環境の中で、懸命に愛を交わす彼らは、いじらしかった🌟
 この作品を読むにつけ「放課後水いらず」がいかにハチャメチャな作品だったかが浮かびあがってきて、二重に美味しいかった…
 ☆は無機物BLの萌えを我々に届けようとしてくれた作者様の想いに【全103頁】
レビューをシェアしよう!
作家名: ハラキ
出版社: ナンバーナイン
雑誌: Blend