婚約破棄という流れではあるが、ストーリーラインは完全に男性向けでよく見るアホなリーダーが有能な仲間をガバガバな理由と動機で追放する、例のアレそのものである。考えなしのガバガバでアホらしい理由で後先考えずにヒロインを手放す(追放する)さまは正になろう系追放もののテンプレ。婚約破棄のシーンと並び、親の顔より見た光景である。
1巻その後の展開もヒロインの有能さの解説から逆転ざまぁしてスパダリと甘いいちゃいちゃ溺愛展開の示唆までのテンプレをテンポよく展開してくれる。序盤で王子サイドがヘイトを稼いだ後はストレスなく快適に見たいシーン・ストーリーが展開してくれるため、なかなか快適。おなじみの細かい突っ込みやガバは多々あるが、快適な読書を提供してくれる構成の良さと、わかりやすくも好感を持てる味方側・存分にヘイトを稼いで無様を曝す敵サイド双方のキャラクター造形が意外と良好で、柔らかく優しい感じの安定して巧い作画と併せて読後の満足感は高い。ヒロインの髪が終始ぼさぼさ乱れ気味な点なども、きちんとキャラクターを描いてくれている感じがして良い。
ガバ気味テンプレ気味ではあるが、作品の雰囲気的なものなのか、似たようなガバテンプレ他作品と比して印象が良好なのが不思議な作品。