Xの広告からサンプルの一話を読んで、購入しました。買ってよかったです。絵のやわらかいタッチと、余白のある感じが、詩集や絵本、短編映画を眺めているようで、とても好みでした。何気ない日常の延長線上にある、ノスタルジックな心象風景が、シンプルな線と言葉で丁寧に綴られており、読後感が心地よい作品でした。個人的にこの作品から連想したイメージ(同じにおいを感じる作品)は、黒澤明監督『夢』、北野武監督『菊次郎の夏』、井上陽水『少年時代』、真島昌利『夏のぬけがら』です。真夏の夕立のあと、ふいひ現れる陽炎や虹に出会えた瞬間のような、儚くて、切なくて、懐かしくて、温かい気持ちになれる作品です。そして、これまで出会った人・モノ・コト、これから出会うさまざまな瞬間の一つ一つを、「当たり前」だと消費スルーせずに、大切にしていきたいな、と思わせてくれました。よい作品をありがとうございます。また作者さんの新しい作品に出会えた時には、読んでみたいと思います。