ほんまりう先生が2001年から2005年にシリーズ連載した劇画は
小泉八雲と為る前のラフカディオ・ハーンを主役にした紀行だと思い込んでいたが
タイトルや作品内容に有るようにミステリーであった
それも、ハーンが編んだ怪談から題を取っており
それぞれ飴を買う女、鳥取の布団、破約、雪女が絡んだ話となっている
ハーンは劇中、へるん先生と呼ばれる事を受け入れ、そして「ヂゴク(地獄)」という慣用句を口にしながら島根の寒さに閉口し
松江中学校の教頭である西田先太郎や小泉セツと交流している
特筆すべきは、へるん先生は見えぬ左眼を通して人ならざるものを視てとるのであろう
この描写が京極堂の榎木津にしか見えないのであった
1890年の明治の松江の城下町や出雲の風光明媚な情景を舞台に
へるんと彼の通訳を買って出た書生・原島保が松江の旧家や史跡を回り歩きながら事件の裏に有る人の思いを理解しようとしていくゴーストファンタジー漫画であった
最後に本物の妖怪が登場して単行本が終わっている
西田千太郎に、原島保が「あんたは女を知らんな 女は魔物さ」と訳知り顔で言う場面に笑ったが
女は魔物というのはこういう意味であったかと後から気付いた
明治だからって余計な物を描かれる事も無く、ほんまりう先生の鬼劇画を楽しめた
ほんまりう先生の作品は電子書籍になっていない物も多々あるのでこれから増える事を願う