見た目、容姿は誰もが思う通りにはならない。そんな事実を受け入れてはいても経済的に許す範囲で努力はするものだが、それが出来ない生活を余儀なくされる者もある。そんな中でも夢は見るし、希望もある。叶えるためには必要な事はあって それでもどうしようもないじゃないかというヒロインのみじめで、あまりにも痛い現実に読んでいる私まで身につまされるような痛みがあって辛かった。勿論ヒーロー側にも辛い現実はあって努力で打ち勝ってきた事実が、孤高である彼をより孤独へと追い込んでいる現状を読んで痛くて痛くて私も震えてくる。だから間違えても前へと進むしかないその決意にどうにも息が詰まってしようがないが、脱却の信頼を勝ち得たことに心底ほっとした。こうまでもがき苦しむ物語と分かって繰り返して読みたくなくなってしまった。仮面に隠れた下で得るものなど架空でしかないからこういうシチュエーションは好きではないが、ヒロインの母への想いを考えると「どうしても」という考え方には同情しかない。