絵がとてもきれいで見やすく、よくあるタイプの絵柄ながら背景がきちっと描かれていることなど、実力派なのがよくわかります。ストーリーも、城山が過去を稔に明かさなかったこと、過去を過去として葬り去るのではなく、万が一稔たちに何かあったら「俺はまたやるな…」と考えているところがとても好きでした。ただ、第7話や番外編の「1800日後」で突然韓国や北の話が出て来るのは唐突過ぎ。作者あるいは原作者の趣味なのでしょうが、朴さんや「ニューカマー」「族譜」「民団・総連」なんて一般読者にはわからないことを出すのはどうかな?と感じました。実際にはかなり複雑で重い問題ですよね。密入国した在日中国人たちにしたほうが、まだすんなり読めました。