この「魔法騎士レイアース」の頃から、しだいに私のclamp離れが始まった感じです。
これ以降、あまりにも商業主義を、意識し過ぎていくようになった感じで。
確かに初期の代表作である「東京BABYLON」は三人が迎える衝撃の結末とか、全体的にストーリーが重過ぎる感じですし、あまりに清らか過ぎて人間味・現実感がいまいち感じられない昴流は苦手な所があり、またやはり元同人誌出身という、独特のカラーは感じるとは思いますが。それでもこの作品中で触れられていて、いまだに解決しない社会問題も多く、それなりのメッセージ性を備えていた作品であり、この時期にはまだこういう作品を、描けていたんだなと思いました。
しかし、どうも私はこの「レイアース」から、一般受け・商業主義をかなり意識するようになっていってしまい、それまでいい意味でclampが持っていた、独特のカラーが急速に失われていってしまったような気がします。
明らかに、「魔法騎士レイアース」も、これまでの魔法戦闘少女ものを、意識しただけの感じの作品ですね。それを少しclamp風に、アレンジしてみただけという感じで。
そして私はどうも、この三人も、何となく苦手でした。
何か年齢より大人過ぎる感じの風、年齢より子供過ぎる感じの光という感じで。
それにカップルも、いくらファンタジーとはいえ、私にはちょっと組み合わせが個性的過ぎるかなという感じで。少女の海に、見た目は美少年だけれど、実はすごい高年齢のクレフ、そしてこれもかなり年齢差カップルのランティスと光。
それから、基本的に妙に大人びた子供キャラが多い傾向の、clamp作品の中では、海が一番現実の中学生らしいというか、年齢相応かなとは思うのですが。
何かと怖いもの知らずで、生意気な感じとか。
そしてこの物語の主軸の一つとも言える、残念ながら、エメロードとザガートの悲恋にも、いまいち、同情しきれなかったし。やはり、大きな理由としては、ザガートが部下のアルシオーネに対し、いかにも使い捨てという感じの、あまりにも冷酷でむごい扱いをしていることが、大きく響いているのかなという感じです。ザガートって、かなりひどい男ですよね。
自分を好きな女性を利用して、自分の愛する女性を守ろうとするなんて。
神官のくせに、自分の愛する女性以外には、残酷なタイプのようですね。