最後まで読みましたが、正直な感想を言うと、何を描きたかったのか私には分かりませんでした。レビューを書きに来て高評価に物凄く驚きました。
なんというか、普通の人には縁遠い世界が舞台なせいか感情移入ができず…。過去にトラウマと傷を抱える少女×ギャング上がりのヤクザの恋って。別にそんな設定の物語があっても良いとは思うのですが、こんな恋ないよね絶対。と思ってしまうリアリティの無さと厨二病臭さにどこか引いた目で読んでしまいました。
ヤクザの世界なんて私には分かりませんが、分からないからこそこんな甘いシナリオは舐めてると思います。ヤクザなのにパーフェクトないい男が、15歳の少女に一目惚れして何もかもを、彼女の人生を引き受けてくれるなんて。そりゃ、こんないい男に愛されて救われた主人公を羨ましく思うし、夢のあるお話だとは思えましたが、萌えない。漫画だから、と現実味がなくても妥協できるラインを超えている。先程も言いましたが、シナリオが甘過ぎです。
こんな少女をいきなり拾ってきて彼女にして、ゆくゆくはヤクザの姐さんになるわけでしょう。この主人公はヤクザがどんなものかも、姐さんがどういうものかも何一つ分かっていない。蓮が好きだから何だってできると思っているのでしょうが、何一つ世の中のことを分かっていない15歳の少女が、ヤクザの世界で辛い目に遭えばそんな気持ちも簡単に揺らぐのが普通だと思います。その事を思い、今愛があろうともこの先付き合っていくのはお互いの為にならないだろうと止める人が周りにいても良いはず。
そう思うのですが、この作品ではヤクザのボスであるお父さんまでもあっさりと息子の連れてきた彼女(少女)を全力でサポートして受け入れる体制。仕事のデキる息子のすることを全面的に信用しているのかもしれないですが、それとこれとは別でしょう。蓮自身も、主人公のためを思うなら、こんなにあっさり流すようにヤクザの姐さんにしていいんでしょうか。
なんというか、ご都合主義すぎる展開も、運命の恋の安売り感も厨二臭いなと思ってしまい私は好きになれない作品でした。絵は魅力を感じるものの、キャラの描き分けがちゃんとできているとは思えず。
互いに自分の為に寄り添っているのに、恋だの愛だのを語って良く見せているだけにしか見えません。原作があり、続きもあるようですが特にこれ以上読みたいとも思いません。