厳格な父に反発する。好きな人ができる。父の支配から逃れたいヒロインは神経質なまで極度に、彼によって自分のものみたいな扱いを受けることから自立しようとする。
彼の愛が絵に描いたように一直線で健康的。屈折した結婚観や女性観はない。ある意味、反面教師とした母親の色濃い影響はあるものの。
頑なに自分で道を開きたい意思を貫こうとするヒロインは、彼の思いに自分が合わせることをひたすら避けている。
ひかれてしまう心は、止められない。
親は自分の価値観で、子を育てがち。子に良かれと思ってやったことが、子どもには親にコントロールされてると感じ取られ、最も嫌悪される行為に映る。
先を見て、自分の失敗経験を通して、子どもに強制的とも言える分岐点での口を出すのは、ヒロインの家庭とどのくらい程度に違いはあるかは別として、あるっちゃある。人生に於ける一方的とも言える企んだような分岐点と。出逢ってしまった分岐点と、目の前の分岐点とが交錯する。判断基準は?。ヒロインが親からもらったヒントはひとつ彼女のこれからの指針になった。反発してたのに、180度近い親子関係の転向。一資料というべきか。
クライマックスの彼の決断と行動には圧倒された。
彼の脂の乗ったキャリアを考えるだに、その行動には、ヒロインへの、余人に代えられない深い感情を感じ、ラブロマンスのメインキャラは男性に恵まれているなぁと感心。
ヒロインが正直羨ましい。女性と職業について、長年の保守的な結婚観で頑固に自分の意思を通せなかった日本女性としても。