結婚してからも恋人の様な夫婦関係を続けたい という新婚さんに多いセリフだけれど、こういう理想こそHQで味わいたいものだ。この物語はその逆に見える。一見、シングルマザーとプレイボーイの恋愛にみえて、実はヒーローの家族という物への憧れをシングルマザーであるヒロインに重ねているように見えるのだ。すなわち、子供を可愛がり、甲斐甲斐しく身の回りの世話を焼く彼女に 良妻賢母というベールをかぶせて見ていて、だから結婚したい に思える。2人の間にある心の動きがアッサリしていて、動揺や駆け引きがドロドロせずにアッケラカンと終わる。この事には拍子抜けする。仕事先で同じ部屋の通されて 同じベッドで寝ていた等の事象にも 答えが用意されておらず、ヒロインの言い分だけで事は先へ進み「悪かった」とするヒーローの態度の変化も 早い切り返しに えっ? と違和感が残る。素直で正直(良くも悪くも)なヒーローを作り上げたいのだろうが、盛り上がりに欠けて面白くない。また、ヒロインのキャラクターが幼過ぎて見え、もっさりとした 田舎者くさい ところも私的には 魅了されずに残念に思う。子供を中間においてのドラマ仕立ても 全くその通りと進むのにも、アッサリ感は否めない。ただ、表題通りにヒーローの魅力は十分に伝わったが、彼の背中の描写がどれも ジジくさい衰え感がある。