ドラマ化と知って、昨今何でも原作に使われる傾向のなかで、この話はどうよ、と興味津々で見に来たが、これをどうこうレビューするのは、高評価を出した人の反発する図しか見えない。
出逢いからしてそれってあり?との不思議さがあり、この現場が幾度も二人の結び付きを再度強くするモチーフにされているが、ファンタジーみたいな実在感の乏しすぎる場なのだ。
伝説などではなく、豹くんの集めたリングの個数のエピソードもストーリーの中で事実扱いされるため、他のイケメンたちをないがしろにするもの。「親友」大神カンナさんの立ち位置が初めから違和感。なぜ何巻も豹君やキューちゃんとキッチリ校内で行動が交差しない? 大体、中学時代の驚愕の異性との「交遊」の発展ぶりと高校生活のギャップに繋がりが悪いし、文化祭イベントの行き違いも、行き違いの為だけに家族の病気がストーリー上の都合で組まれた感じ。
そもそも、名門校設定のはず。
うぶな女の子なのはいいけれども度が過ぎていて奇妙。中学生でもあり得ない。それにしては外泊簡単で学校も問題児の扱い中途半端。キューちゃんが親のことだとかで抱えてしまっている境遇も、さらり、修学旅行から急に友達が増えたり。おばさまは少しは顔を出しているのに!?
「今日恋をはじめます」もかくやと思わせる無理無理進行で、ストーリーはとかく二人きりにさせる。読んでいて常につきまとうご都合展開。竜生君も何人も同時に生きていないと成立し得ないスーパー高校生。千隼の方がいいとのレビューあったが理解出来る。そんな彼に謎の執着片想いさせて、ストーリー展開は冷酷。
おうちがすごい、ということが最後の方でわかるが、それストーリーにどう噛んでいるのかと思えば、いや別に、の世界。
ヒロインが何になりたいのかは迷走のままクライマックスで結局は最も違和感のない進路を選ぶが、ここもいちいち「今日恋」(描く所は別物でも、高校生が持つ悩み描写)が頭によぎるほど、こっちは話が成立した感がない。蓮校は名門校のはずなのに、それを裏打ちするところがこうまで示されないとは!
きりがないのでこの辺にするが、星は2.5のつもり。
さてこの作品を通しで読んで今、別作者別系列なのに「流れ星レンズ」を何故か読みたくなってきた。