まず、女の子が可愛い。トビラ絵の視線にドキッとした。いかにも可憐で大人しそうな印象で、好感が持てる。
そして、雰囲気のある描写もソソる。痴漢をされる娘の畏怖感や言いたいのに言えない気持ち、恥じらいの心、息づかいの他に、見るからに凶悪で加齢臭が読者の方にも届いて来そうな感じのオヤジ連中の心情や感覚までも、グッと伝わって来る。
内容は、痴漢が題材のストーリーのパターンの一つとして、さもありなんといったところである。もちろん現実にこのようになることはあり得ない。絶対に真実は、最初に手を出した時点で何らかの形でつき出され、御用となって終わりだ。
ともあれ、緻密で臨場感のある描写と、キャラの個性的な点は、かなり印象的。最高評価に値する作品だ。